水の都の雑記帳

第8世代トリプルまで充電中

【PJCS2024】イエカシラ偽装重力催眠構築【最高レート1740】

初めましての方もいらっしゃると思います。

そうでない方はいつもお世話になっております。

普段はトリプルのダムの底に沈んでおります。ジュニアカテゴリの息子とVGCに取り組んでいるカノソと申します。

 

今回はポケモンジャパンチャンピオンシップス2024の予選で使用したイエカシラ偽装重力催眠パについての記事を書かせていただきます。

 

重力催眠構築に関する記事はあまり多くなく今回の構築を作る際にも過去の自分の記事を参考にする事になったのでこれから重力催眠を試してみたいと考えている方の一助になれば幸いです。

 

(本記事内では努力値個体値といったスラングやHABCDS表記を用いる場合があります。予めご了承ください。)

 

 

【構築の経緯】

追加DLC碧の仮面でじゅうりょくわざマシンが再実装されたことによりPJCS2019予選で自分が使用し好調だった重力催眠パが再現できるのではないかと試行錯誤していたところイエッサンフワライドでテテフライドの再現が可能なこと、化身ランドのねっさのあらしとじゅうりょくの相性が抜群であることに気付きレギュEの開始時に構築をスタート。イエッサンを♂で採用する必要があったためイエッサン採用の理由付けとしてワイドフォースを意識させられるグレンアルマと組ませ、この4体から煮詰めていきました。スイーパーとして優秀なハバタクカミの採用はスムーズに決まり、残り1枠は構築の穴をサポート出来るアタッカー寄りのポケモンを探して色々と試していきました。

本戦のルールがレギFに決定し藍の円盤で4種類のパラドックスが解禁されたことでグレンアルマをテツノカシラに変更し、最後の1枠にタケルライコを採用することで構築が完成しました。

 

 

【基本コンセプト】

先発イエッサン♂のサイコメイカーからサイコフィールド(以下PF)を張りフワライドのサイコシードを発動させるところからスタートします。イエッサンのスカーフじゅうりょくで命中率を上げてフワライドのかるわざさいみんじゅつで相手を眠らせながらランドロスのじめんテラス珠ねっさのあらしの連打で場を荒らし、終盤にハバカミやイエッサンでスイープすることで勝ちを目指します。

 

また、イエッサン入りの構築においてPF下で絶対的な圧力をかけられるテツノカシラを採用し、相手の注意をワイドフォースに引きつけることで開幕に悪や鋼の選出を半ば強要して重力催眠への対応を難しくさせる事でギミックを通しやすくしています。

 

当たり前の話ですが重力パとの対戦経験に乏しい人が殆どなのでPF下で接地していることを忘れてフワライドに先制技を撃ってきたり、ひこうタイプでねっさのあらしを透かそうとしてそのまま倒れたりと相手のミスを誘発してくれるシーンも多く見られました。

 

 

【個体解説】

イエッサン♂

臆病、サイコメイカー、フェアリーテラス、A0

実数値:H136 A63 B75 C157 D115 S161

努力値:H4.C252.S252

ワイドフォース、マジカルシャイン、トリック、じゅうりょくこだわりスカーフ

 

ギミックの主軸でありキーとなるポケモン。採用理由であるじゅうりょくはさいみんじゅつだけでなくねっさのあらしやこごえるかぜの命中を担保してくれたり、浮いているポケモンに地面技を当てられるようになったりと非常に優秀でした。

単体でPFワイドフォースを撃っているだけでも充分に強力であるため、生き残った場合は終盤にスイーパーとしての役割も担っていました。

 

 

フワライド

図太い、かるわざ、あくテラス、A0

実数値:H241 A76 B105 C111 D76 S115

努力値:H124.B252.C4.D12.S116

さいみんじゅつ、こごえるかぜ、シャドーボール、おいかぜ@サイコシード

 

ギミックの主軸であり催眠とS操作を担う構築の要。採用理由であるさいみんじゅつ、S操作のおいかぜとこごえるかぜまでは確定。最後の一枠は色々と試しましたが火力と追加効果を考えて無難にシャドーボールを採用。

努力値調整ですが構想段階ではSをイエッサン-1で運用していたのですがパオジアンの氷技からのダメージがギリギリであったため、準速スカーフイーユイ抜きまで抑えHBに厚くしました。この配分によりSで抜かれて困るケースも特になかったこと、パオジアンの攻撃をギリギリで耐えるケースが複数回あったことから調整が活きた形となりました。

コータスからのふんかを耐えなければならないケースもあるためDにも最低限の努力値を振っています。

B:陽気パオジアンのアイススピナー確定耐え、つらら落とし87.1~102.9%(乱数18.7%)

D:特化コータスの炎テラス木炭晴れ噴火ダブルダメージ確定耐え

 

 

ランドロス(化身フォルム)

控えめ、ちからずく、じめんテラス、A0

実数値:H165 A117 B110 C183 D100 S153

努力値:H4.C252.S252

ねっさのあらし、まもる、だいちのちから、ヘドロばくだん@いのちのたま

 

この構築のエースにしてMVP。一般的な化身ランドロスにも見られるちからずくといのちのたまによる補正に加え、性格補正とじめんテラスまで上乗せすることで多くの敵をねっさのあらしの圏内に入れています。その破壊力は凄まじく、並のポケモンであればダブルダメージであっても二匹同時に気絶させることが可能です。

臆病でテストしたところミリ残しで耐えられてしまうケースが頻発したため控え目での採用となりましたが隣にいるフワライドが二種類のS操作でサポートをしてくれるので困ることは殆どありませんでした。

現環境は地面技への対策を飛行タイプや特性浮遊に一任している構築も非常に多いため、じゅうりょく下で地面技を撃っているだけでイージーWINできる試合が多々ありました。

 

 

ハバタクカミ

臆病、フェアリーテラス、A0

実数値:H131 A63 B75 C187 D155 S205

努力値:H4.C252.S252

ムーンフォースマジカルシャインシャドーボール、ほろびのうた@こだわりメガネ

 

このポケモンに関しては特筆することはありません。前述の三匹で荒らした後のスイーパーとして安定の活躍を見せてくれました。

ほろびのうたの枠に関しては他にも色々と試しましたがどれも使うことはなく3つの技で完結していたため好みの技を採用すれば良いと思います。

 

 

タケルライコ

控えめ、でんきテラス

実数値:H224 A79 B112 C207 D110 S103

努力値:H188.B4.C252.D4.S60

10まんボルト、じんらい、りゅうせいぐん、バークアウト@とつげきチョッキ

 

重力催眠で止められないタイプのトリパ、ハバカミの選出が厳しい相手、サーフゴー入りの構築、でんき技の通りが一貫している相手、水ウーラオスの水流連打を受ける必要がある相手に対して選出します。

そのスペックの高さから選出した試合では期待通りの活躍をしてくれました。

努力値調整はCぶっぱ、Sはおいかぜ時パオジアン抜き、残り耐久です。

 

 

テツノカシラ

控えめ、かくとうテラス

実数値:H177 A78 B121 C191 D129 S138

努力値:H92.B4.C252.D4.S156

ワイドフォース、まもる、タキオンカッター、きあいだま@ブーストエナジー

 

先頭に置くことでイエカシラを強く意識させ相手の選出を誘導するためのポケモンです。

相手目線では初手テツノカシラからワイフォ連打の線を切る事が出来ない上、ほぼ全ての構築でテツノカシラに対応するためのポケモンが採用されているためそれらのポケモン(主に悪タイプや鋼タイプ)の選出を強要することができ、それにより重力催眠を通すことに一役買っています。

このポケモンを実際に選出するのはワイドフォースの通りが一貫している構築、ミミズズ、ドレディアコータスを相手にする場合です。

技構成で目を引くきあいだまの採用ですがじゅうりょく下であれば100%命中するため非常に強力な技になります。

どしょくのミミズズがランドロスの天敵中の天敵であり構築単位で見ても重すぎるため処理をカシラに一任しています。(ブーストエナジー発動時D特化ミミズズに108.4~129.3%)

計3回の予選でミミズズを2回引いているのできあいだまを採用していて本当に助かりました。

テラスタイプは悪技への耐性ときあいだまの威力強化ができる点を評価してのかくとうテラス。未来の世界では忘れさられてしまった聖剣士としての誇りを取り戻す事ができます。

努力値調整はCぶっぱ、Sこごえるかぜ1回でテツノツツミ抜き、残りHです。

 

 

【基本選出と立ち回り】

基本選出

ほぼコレ。

先発イエッサンフワライドから後発ランドロスでの全体技連打、一通り場を荒らしてからハバカミでのスイープ、生きていればイエッサンでのスイープを目指します。

カミが刺さりづらい相手に対しては4枠目をライコやカシラにすることもあります。

相手の先発に悪タイプを呼びやすく、特に様々な構築に採用されているガオガエンは高確率で先発に来てくれます。ガオガエンへの立ち回りは後述参照。

 

 

対ドレコー

ドレディアがスカーフイエッサンよりも早く動く関係上、おさきふんかとねむりごなふんかの両方に対応する必要があるためフワライドはおいかぜから入り、フワライドへのねむりごなケアでイエッサンはワイドフォースを選択します。これにより全体ダメージを与えるか、イエッサンに1ターンで退場してもらって速やかにカシラをおいかぜ展開出来る状況を作るか、どちらかは遺すことができます。おいかぜだけではカシラがドレディアを抜くことが出来ないためフワライドはこごかぜを選択し、タスキを潰しながらワイドフォース展開に持ち込みます。

 

 

対トリル

重力催眠で対処出来るタイプのトリルに対してはさいみんじゅつで止めながらランドロスの高火力もしくはタケルライコのバークアウトで立ち回ります。

ランドロス展開が可能であればトリル要員を削るために火力重視でだいちのちからを使用することも視野に入れながら立ち回ります。トリルを張られてしまった場合はまもるやバークアウトでお茶を濁すか、エースへの交代のタイミングを狙って眠らせるor殴りに行きます。

さいみんじゅつが効かないブリムオン構築が心底苦手なので海外のイエブリトリル構築への勝率は芳しくありませんでした…

 

 

対ゴリランダー

様々な構築に採用されているため頻繁に当たります。フィールドの奪い合いを想定して殆どのゴリランダーは後発に控える形で出されました。ランドロスがテラスを切った後に出されるケースが多いのでグラスラで倒されないように注意して立ち回ります。

殆どがとつげきチョッキを持っている関係上ヘドロばくだん一発で落とすことは不可能なのでランドロスを一度守らせながらフワライドで眠らせてヘド爆+@で倒します。

イエッサンが早々に落とされていても催眠を絡めれば対処出来るため必要以上に大切にする必要はありませんが、後ろから投げてPFを張り直せればかなり楽に立ち回ることが出来るため、最初のターンにイエッサンを落としに来るポケモンを敢えて眠らせることも視野に入れながらゴリラの崩し方を想定しておくと良いと思います。

 

 

ガオガエン

ワイフォを意識させているためガオガエンは先発に出されることが圧倒的に多いのですがフワライドのサイコシードが消耗してしまう関係上かなりの高確率でイエッサンに対してはたきおとすを使用してくれます。これによりスムーズなランドロスの展開が可能となり、こごかぜねっさ、おいかぜねっさ、さいみんねっさと状況に応じて使い分けることが出来ます。相手目線次のターンに眠らされるかもしれないガオガエンにはテラスが切りづらいためガオガエンの真価を発揮させずに対処することが多く、展開を優位な状況で進められました。

 

 

対パオジアン

一見すると天敵のように思われるかもしれませんが持ち物や技構成が分かりやすいため比較的安定して処理ができる対処のしやすいポケモンです。

先発で出てくることが殆どで最優先で眠らせたいポケモンなので積極的に停めにいきます。(フワライドは対パオジアンを想定した努力値配分ですが持ち物や性格次第では耐えられないため)

イエッサンを下げてランドロスを出すタイミングでは最速起きされてもまずフワライドから狙われるため氷技を耐えてこごえるかぜでタスキ潰しとS操作を同時に行いながらテラスねっさで処理をします。

珠、ステラ、クリアチャームなどを使われ最速起きされるととても辛いですが幸い一度も起こりませんでした。

 

 

対最速起き

コレが一番の敵だったりします。基本的に毎試合最速起きはされるものという前提で立ち回っているので1回の最速起きは何の問題もないのですが同じ試合で2回3回最速起きされると流石に厳しくなってきます。確率は自分にも相手にも平等に。

 

 

【結果】

1回目の予選でボーダー超えしたものの初のサブロム禁止大会ということもあって撤退のし所が読みづらく押し込もうとして溶かしてしまいました。

2回目の予選は確率の壁を完全に無視した運の悪さで爆散。

3回目の予選でボーダーチャレンジに2回挑むも急所に阻まれて散りました。

 

その後構築を息子に託し4/21の本戦で使ってもらいました。

結果はこの記事を書いている14:59時点で12-7レート1565の61位。

※追記

最終順位63位で確定しました。HOMEでの表示が65位だったため一日中頭を抱えることに。無事通過できて本当に良かったです。

 

親子で本戦に、そしてライブ大会に出場する夢は残念ながらあと一歩のところで阻まれてしまいました。

自身の大会はまた来年に向けて取り組むとして、一先ず今年は息子のサポートに全力で取り組みたいと思います。

 

最後に、レギュFの終了まで残り一週間ではありますがレンタルを作りましたので重力催眠に興味のある方は試してみて下さい。

 

 

ここまで読んで下さった皆さまありがとうございました。質問等ありましたらTwitterアカウント @kan0s0 までお願いします!